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原発ゼロ・再生可能エネへ動かす年 環境エネルギー政策研究所所長・飯田哲也さん

1月 8th, 2012 | Posted by nanohana in 2 STOP 原発 | 2 代替エネルギー | 3 今後の電力・原子力政策・行政 | 4 他の原発全般

京都民報 2012.1.7

12月10日に龍谷大学(京都市伏見区)で開催された「原発ゼロ・『京都アピール』講演会」での、安斎育郎・立命館大学名誉教授、飯田哲也・環境エネルギー政策研究所所長の発言(大要)を紹介します。

覚悟を決めてやりぬく

福島の事故から日本は大きく変わっていかざるを得ないでしょう。福島の事故は、明治維新、敗戦後の焼け跡から起きた変化に匹敵する変化を日本社会に起こすでしょう。明治維新も紆余曲折を経ました。今回も10年単位で粘り強くやりぬく覚悟が必要ではないでしょうか。

事故を契機に政治を変える

大きな原発事故は歴史を変えています。スリーマイル島原発事故後アメリカで原発は1基もできていません。同事故を受け北欧やオーストリアの様に民主主義がきちんと機能し、環境政策が進んでいる国は原子力政策が完全に立ち止まるか、放棄されています。
福島の事故は地震、津波というよりも原子力村という組織なり、構造が起こしました。3月11日の午後2時46分から約8時間の間、官邸のホームページ に、すでにメルトダウンが始まっている可能性とメルトスルーに至る可能性ありという福島第一原発からの報告が公開されていました。しかし、官邸にいた斑目 春樹原子力安全委員会委員長、寺坂信明原子力安全・保安院長は全く何もせず、斑目委員長は翌日に水素爆発が起きる直前まで絶対に起きないと断言していまし た。原子力村の人は想定外の事は考える能力も無く、考えることも無かったので思考力を失っていました。
そういう人たちが未だに同じ役職に就いています。恥を知っているならば即座に辞任すべきです。政治家が辞めさせていないし、自ら辞めてもいません。こういう人たちに原子力をやる資格はありません。
短期的に見て日本が変わるには絶望的な状況があります。自民党は論外、民主党はお話になりません。今の連立政権は財務、外務、経産の各省庁の連立政権で す。福島事故が起きてなお原発輸出だの馬鹿なことを言っています。また、調達価格等算定委員会(再生可能エネルギー特別措置法で固定価格を決める委員会) の人事で、なんと委員長候補にこの法律に反対した進藤孝夫新日鉄副社長を推薦してきました。さらに同制度を批判していた山内弘隆一橋大学教授、山地憲治地 球環境産業技術研究機構理事の両氏も委員に選ばれ、委員会の5人の内3人が制度に反対か批判していた人物です。
はじめ政治家は勢いのいいことを言うが、“官状記憶合金”が働いてきて、180度違うことを言い始めます。最低でも県外が辺野古に、脱官僚政治が脱官僚 依存に、脱原発が脱原発依存に、この後に脱がとれて原発依存に変わるかもしれません。官僚依存型の連立政権を見据え、政治を変える必要があります。

制度、政策で爆発的に普及

一方で、世界全体の大きな流れではエネルギー政策が変わりつつあります。最も象徴的なのは農業、産業、ITに次ぐ第4の革命といわれる再生可能エ ネルギーの爆発的な普及です。とりわけ風力、太陽光は急増しています。風力は2010年末には原発の半分の設備容量に達し、あと約3年~5年で追い越すで しょう。太陽光は現在のペースで増えると5年後には原子力を追い越す風力を上回る可能性があります。
急増の理由は政治と政策です。政治家がビジョンを持ち自然エネルギーを増やす政策を公約し、政府が現実に機能する政策を導入することで、どんどん市場が 拡大しています。とりわけ固定価格買取制度は世界で爆発的に成功し、87カ国に導入され、日本も88番目の導入にようやくこぎつけました。
日本の行政の無駄な事業の背景には、地方自治体も含め役人の担当が2年間で変わることと補助金をつけることが政策になっているという問題があります。役 人は補助金が政策、国は補助金をつくる、補助金を取った地方自治体の役人は2年でいなくなる、後は業者に丸投げで、業者は仕様書通りのものを作るだけで す。その結果が、環境省が筑波市と共同で設置した全く回らない風車や農水省が2002年から10年間かけて5000億円の補助金、総事業費6兆円、214 の事業を行い、総務省の行政評価で全てが失敗とされた「バイオマス日本」などです。
どちらの例にも欠けているのは“人”です。プロフェッショナルな意志を持って、知識と経験、信頼そしてネットワークを積み上げていく地域側と役人の側の 人材が欠けています。地域から変えていくのは、空っぽの補助金事業でなく人々の力です。覚悟を決めてやりぬく、その行く末に大きな社会の変化が起きると信 じています。(「週刊しんぶん京都民報」2012年1月1日付掲載)

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京都民報

 

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