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「測る、語る」住民動く 放射線への悩み、不安共有 相馬

1月 8th, 2012 | Posted by nanohana in 1 測定 | 1 福島を救え | 2 アクション・選挙・住民投票

河北新報 2012.1.7

古宇田さんが設置した放射性物質の計測機。手前の筒に食材を入れると、20分程度で結果が出るという=相馬市馬場野

 福島第1原発から北に40キロの福島県相馬市で、住民が独自に放射性物質を測定したり、不安を話し合う場を設けたりする取り組みが広がっている。空気中の放射線や内部被ばくに神経を使いながらも、生活上の悩みを共有し、支え合おうとしている。

 相馬市馬場野の「ふるうた建築」。代表の古宇田秀明さん(44)は自宅隣の事務所を開放し、食品の放射性物質濃度を測定している。
 妻由美さん(42)と長女有砂ちゃん(2)の3人暮らし。原発事故後は食事や水に気を配ってきた。「店が食材中の放射線量を表示してくれればいいが、それは無理。自分で調べるしかない」と考えた。
 測定スペースは新築した事務所の一室。壁に鉛を入れて外部からの放射線を遮断する本格的施設で、中に488万円で購入した測定機がある。
 手始めに県内の知人が作ったコメや野菜を調べた。国の暫定基準値(1キロ当たり500ベクレル)にこそ達しないが、放射性セシウムが検出されたこともあった。数値が分かれば対処のしようもあり、「目の前が少し開けた気がした」と語る。今後は有料で測定を請け負うつもりという。
 「放射線について、相馬は日本一微妙な場所」。市民団体「そうま子どもさぽーと」代表の遠藤和浩さん(51)が話す。
 市によると、市内各地の空間線量は毎時0.17~1.11マイクロシーベルト程度。一部地域を除けば県内でも低い方だが、逆に子どもの将来への影響などを言い出しにくいという。
 遠藤さんは11月、相馬地方に住む育児中の保護者を対象にしたイベント「おしゃべりinカフェ」を開いた。放射線への不安を話し合い、ストレスを解消してもらうのが目的だった。
 北隣の福島県新地町から参加した主婦(32)は、長男(5)や長女(1)と暮らす。東日本産の食材や水を避け、加工品も工場所在地までチェックするが、「気にせず生活する人も多く、近所で(放射線を)話題にするのはタブー」と話す。
 周囲との認識の差を感じるとともに、子どもと住み続けていいのかどうか悩んだという。
 カフェで同じように悩む人が多いと知り、気が楽になった。「家にこもっていても始まらない。まだ安心できないが、いろいろな情報を取り入れたい」と言う。
 「市内の線量は原発事故前の約10倍。ほかの地域より低いではなく、数値をどうとらえるかが問題」と遠藤さん。「子どもへの低線量被ばくの影響は未知数。悩む人がいるのは当然で、国や自治体のケアが足りない」と自ら考えることの大切さを強調する。

2012年01月07日土曜日

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河北新報

 

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