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地域から「脱原発」 発電所作り目標 流山の市民団体

1月 5th, 2012 | Posted by nanohana in 2 STOP 原発 | 2 アクション・選挙・住民投票 | 2 代替エネルギー

東京新聞 2012.1.4

太陽光パネルを自作する自給エネルギーの会@流山の会員ら=千葉県流山市で
 自然エネルギーの発電所をつくって、地域の電力をまかなえないか-。こんな壮大な目標を見据え、この春のNPO法人化を目指す市民団体が、千葉県流山市にある。

 メンバーは、小さな子どもを持つ親らが中心。NPO法人設立へのきっかけになったのは、昨年三月二十六日に行われた、流山市にある保育園での卒園式だった。

 この日広がった青空の下、園庭には子どもたちの笑顔が並んでいた。でも「なにげない風景だが、放射能が舞っているかもしれない」。同市在住で都内で出版編集業に携わる板倉正さん(55)は、何も知らずにはしゃぐ子どもたちを見ながら、放射性物質による不安を感じていた。

 福島第一原発事故の影響で、東葛地域にも放射性物質の飛散の可能性が指摘され始めていたころだった。

 板倉さんの周りの保護者からも、原発に対する不安や疑問の声が上がりつつあった。みんな原発がないと生活できないと考えていたが、「原発はリスクが高すぎる。もっと安全で簡単にまかなえる電力があるはずだ」。板倉さんを中心にこんな思いを抱いた仲間十人ほどが、昨年四月二十九日に流山市赤城福祉会館に集まり、自分たちの手で地域の自然・再生エネルギーづくりを目指すことが決まった。

 会の名前も「自給エネルギーの会@流山」に。大きな電力会社に頼らず、地域で電力の需要と供給をまかなえる“自給エネルギー社会”をつくろうが活動テーマだった。

 NPO法人化を目指す理由を、呼び掛け人を務める板倉さんは「自給エネルギーの仕組みづくりには、時間も労力もかかる。無償のボランティア団体では、長く続けられない」と話す。

 資金繰りの面からも任意の市民団体より、寄付集めなどで資金調達の手段が広がるNPO法人を選んだ。これも「放射能の影響を考えて、二十~三十年と活動できる体制を整える必要があった」(板倉さん)からで、若者を職員として採用することで、雇用確保に貢献できるメリットも挙げる。会にはメーリングリスト会員を含め、同市や柏市など東葛地域を中心に六十人が登録されるまでになっているという。

 県への申請書類などの作成の傍ら、具体的な活動も始まっている。まず、自給エネルギーによる電力を実感しようと、昨年十一月に講師を招き、小さな太陽光パネルを製作した。出来上がったパネルは、NPOや企業が取り組む東北被災地で自然エネルギーを普及させる運動(東日本大震災つながり・ぬくもりプロジェクト)に寄付した。資金が集まれば、専門機器を購入し、本格的に太陽光パネルを自作していくことも考えている。

 将来は▽家庭や自治体施設での自家発電システムの普及▽自治体と連携し、太陽光や水力など自然エネルギーによる発電所を設立-といったエネルギーの自給体制を構築することが最終目標。

 原発事故を受けた不安が保育園の保護者仲間を結束させ、市民発の大きな挑戦が始まった。 (佐々木香理)

 <自給エネルギーの会@流山> 現在は任意団体。太陽光発電パネルなど自然エネルギー普及のための活動ほか、放射線対策として▽東葛地域を中心に食品や大気中の放射性物質の検査▽環境保全に関する研修や講座の開催▽子どもの健康診断を東葛地域で定期的に行うよう自治体への要望活動▽発電や送電に関する機器の開発や研究-などにも取り組む。運営人数は10人。

(東京新聞)

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東京新聞

 

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