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南海トラフ 伊方原発に迫った想定震源域

1月 4th, 2012 | Posted by nanohana in 未分類

愛媛新聞  2012.1.3
 東海・東南海・南海地震の規模や発生領域を見直している内閣府の有識者会議が、東海から四国沖の海底にある「南海トラフ」沿いで想定される巨大地震について中間報告をまとめた。
 3連動地震の想定震源域は従来の駿河湾から四国沖にかけての約6万平方キロメートルから、北側や東側、南西方向に延び約2倍の11万平方キロメートルに拡大。津波の波源域もほぼ同じエリアと想定され、地震の規模はマグニチュード(M)8・7から暫定値で9・0に上方修正された。
 北側に広がったのに伴い、愛媛も大部分が震源域に含まれた。具体的な津波高や震度は今春公表される予定だが、自治体の防災計画や津波対策は見直しを迫られよう。
 注視すべきなのは、震源域から伊方原発までの距離が大幅に縮まったことだ。
 北側の震源域はこれまで、深さ30キロより浅いプレート境界面を想定。今回の見直しでは、地震が発生しにくいとされてきた、より深い瀬戸内側のエリアまで強震動の可能性があるとされた。
 西側も日向灘北部から南西の九州沿岸まで一連の震源域とされ、伊方原発に迫ったと言える。
 30年以内の発生確率87%とされる東海地震の震源域に立地しているとして、静岡の中部電力浜岡原発が全面停止しているのは周知の通り。
 伊方原発は今のところ、浜岡原発のように震源域の真上に立地しているわけではないようだ。
 しかし、地震の影響について、これまで以上に厳しい目を向けざるを得ない。愛媛にとどまらず、耐震性や津波対策への周辺住民の不安は増して当然だろう。
 高知大の岡村真教授は依然、南海トラフより中央構造線による地震の方が伊方原発への影響は大きいとみている。一方で、今回の見直しで地殻変動量などは大きく変わるとも指摘している。
 想定震源域の拡大に伴い、伊方原発は揺れや津波に対する安全性の再評価が求められる。
 今回の見直しは、東日本大震災の発生を受け従来より厳しい想定が必要とされ、あらゆる可能性を考慮した最大級の地震・津波モデルを提示するのが目的だ。南海トラフで次にこんな巨大地震が起きるという話とは違う。
 だが、人災につながりかねない「想定外」をなくすために、今後の地震・津波対策の指針となるものではある。
 まだ中間報告の段階でもあり、自治体が実際に防災計画を練り直すとなればかなりの時間を要するだろう。行政の対策の一方で、避難経路や避難場所をあらためて確認するなど、防災・減災に自ら備えておかねばならない。

この記事は
愛媛新聞

 

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